ぱんどらさんのおもちゃばこ

ビターエンドは好き。ビターチョコは嫌い。

神我狩|[待機]について

 【行動値】を任意の値まで下げ、行動順を調整する[待機]。

[手番]を迎えるには[霊力]が整っていなかったり、特定のキャラクターの後に行動したかったり、[回復]を十全に活かしたかったり...普段から使える場面が多々ある[待機]だが、あまり細かいところまでは意識されない。

ルールを読んでみたところなかなか面白い仕組みをしていたので、少し深堀りしてみる。

 

 

 ♦[待機]の基本情報

基本p.165参照。1ターン中1回まで[タイミング:準備]に行える[行動]であり、[タイミング]を消費しない。NPCは使用不可。

【行動値】の[総計]を1以上の任意の値まで減少させ、[手番]を遅らせることができる。その後、指定した【行動値】にて再び[手番]を迎える。これによって複数のPCが同時に[手番]を迎えた場合、最も【行動値】が低いキャラクターから[手番]を迎える。なお、[待機]は[移動力]に影響を与えない。

同じく[準備]非消費の[行動]である[簡易移動]を行った場合、[待機]を行えない。

 

 

♦[待機]と[手番]

かなり特殊な処理を行っている[待機]だが、意外と標準的な枠組みに入れられている。その他の[行動]などと同列に扱って良いものか...

本稿では、[待機]を[簡易移動]後に宣言できないルールが[簡易移動]側の例外処理と捉え*1、[待機]を柔軟に考えてみることにする。

 

例えば、[タイミング]を消費しない[準備]の《タレント》を使用した後、[待機]を宣言しても構わないことになる。

先に使用しておくことで、その《タレント》の効果を長く受けることができるわけである。

 

でもそれ、既に[手番]を行い始めてない? 下げた【行動値】でもう一回[手番]迎えていいの?

という感じでなんだかもやもやするが、[待機]自体がそもそも[手番]内の行動である。その[待機]が再び[手番]迎えられることを明記している以上、問題ないのであろう。

 

ならばいつ[未行動]ではなくなるのか、という話になってくる。これについてはルールに明記されていないようだ。

[未行動]のキャラクターのなかで【行動値】の[総計]が最も高いキャラクターが[手番]を迎え、[行動者]となる。[行動者]が[攻撃]をすべて消費すると[行動終了]となり、次の[未行動]のキャラクターの確認を行う。

[待機]の処理を考えると、[行動者]が[行動終了]を迎えた時点で[未行動]でなくなる、とするのがしっくりくるように思う。どうでしょう。

 

 

別の話。

通常、【行動値】の[総計]が等しいキャラクターが複数存在する場合、NPCよりもPCが優先され、その上で[手番]を迎える順番を相談できることになっている。

しかし[待機]にて[総計]を下げた場合、最も【行動値】が低いPCから[手番]を迎えるルールがある。この場合もNPCの[手番]はPCの後だ。

 

PC1が10、NPCが6、PC2が5の【行動値】を持つとしよう。このとき、PC1が[待機]を行いたい。

PC1が【行動値】の[総計]を6まで下げた場合、行動順はPC1>NPC>PC2となる。

PC1が【行動値】の[総計]を5まで下げた場合、行動順はNPC>PC2>PC1となる。

つまり、PC1は自身の[待機]のみによってNPC>PC2の間に[手番]を迎えることができない。この場合、PC2も[待機]を行う必要がある。

 

 

♦《同時並行》について

[準備]直前に使用し、その[手番]で得られる[タイミング]を[準備・攻撃]から[準備・準備]または[攻撃・攻撃]に変更する効果を持つ《タレント》。

現状、PCが1ターンに得られる[準備]を増やす唯一の手段である。

 

賢明な読者の方々ならもうお気づきであろう。以上に従えば、1回目の[準備]を消費した後、2回目の[準備]にて[待機]を宣言することが可能なはずだ。

[手番]を半分食いつぶしておきながら、指定した【行動値】にて再びフルの[手番]を迎えられるわけである。

これにより、1ターンに[準備]を3回迎えられる。消費できるのは2回だ。

 

これを利用することで、《影法師》を2回トリガーすることができる。《聖歌移調》による[準備]での[回復]《タレント》も倍使えてお得感。その上で[攻撃]も1回得られる。

すごく面白そうだが、《同時並行》はセッション1回制限。《直感記憶》までやっても2回。

さらに[待機]自体が1ターンに1回なので、1ターンに5回[準備]を迎える夢は叶わない。無念。

 

 ♦関連

 

 

(C)力造/アークライト/新紀元社武装伝奇RPG 神我狩」

*1:明記されているわけではないが、[待機]以外の[準備]の[行動]などを行った時点で[待機]を宣言できなくなるニュアンスが感じ取れる。そうしておいた方が処理的に平和だが、その場合[待機]については記述を超えた扱いをすることになるか。