ぱんどらさんのおもちゃばこ

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シノビガミ 考察|「効果の競合」について

「効果の競合」。『シノビガミ』において最も難解なルール*1であり、多くのプレイヤーを悩ませ、数多の議論を生み出してきた。

筆者も今まで幾度となく完全に理解したルールであり、数か月後にはなんも分からん状態になっている。ダニング=クルーガ―効果って言うらしいですよ。

 

そんな「効果の競合」だが、もういい加減思考をまとめておきたいので、ここで一度じっくりと考察しておこうと思う。

ルルブの記述をみだりに書くことはできないため、引用は最小限に控える。詳しくはお手元のルルブを参照してほしい。

 

♦本題

①効果の競合が発生した場合、(中略)後から発生したものを優先的に処理するようにしてください。

②効果の競合が発生した場合、下記のような順番*2で処理します。(略) 

 

これが1段落にまとめて記載されている。同じ条件下で、順番について二重に定義しているように見える。早速混乱させないでください。

 

字面通り受け取れば、後から発生した効果を優先しつつ、処理順は決まっている(②に従う)とのこと。

「優先する」ということは、他をさしおいて扱うということを意味する。全ての効果を十全に処理することができない場合、優先されなかった効果の一部または全部が無効になることは避けられない。

優先されなかった効果については、優先された効果の処理後に適用可能な場合、後から適用可能な範囲で適用する*3のが自然であるように思う。

 

例を挙げてみよう。

 

【髑髏本尊】【雀蜂】

【髑髏本尊】適用中に【雀蜂】を使用した場合、効果上それらを同時に処理することはできない。また、①②に基づいて後から適用する【雀蜂】が優先される。

先に解決する【髑髏本尊】によって、スペシャル値は9に変更された。その後、【雀蜂】が優先的に適用され、スペシャル値は11に変更される。優先されなかった【髑髏本尊】は、ここに適用することができない。

 

【凶手】【雀蜂】

【凶手】後に【雀蜂】を使用した場合、効果上それらを同時に処理することはできない。また、②に基づいて2つの効果の処理順は同格である。①より、後から使用した【雀蜂】が優先される。

【雀蜂】によって、スペシャル値は11に変更された。その後、優先されなかった【凶手】のスペシャル値-2の効果は適用可能であるため、スペシャル値は9となる。

 

 

③同じタイミングの効果が競合した場合、(中略)好きな順番で解決します。

④同じタイミングの効果を、違うプレイヤーが発生させて効果が競合した場合、(中略)目が低い人の効果から、先に解決していきます。(略) 

 またもや順番について述べている。これは、②①を受けて同格、つまり、同優先度の効果が同時に使用された場合についての記述だろう。

 

「先に解決」という言葉が使われている。字面通り「優先」とは別物であると解釈すれば、これによって効果の発生順が定まり、競合した際に①に基づいた処理が発生するということになる。

つまり後から発生(解決)した効果が優先されるため、他プレイヤーの効果との競合に勝ちたいなら出目は高い方が良いことになる。一方、即効性さえあれば良いなら低い出目の方が一歩先に発生させられる。

 

そもそも効果同士が食い違っていない場合においてはどうなのかというと、実は以前為されていた裁定によれば、適用タイミングが被った時点で「効果の競合」が発生し、都度順番を決めることとされていた*4。改定に伴って過去の裁定は無視するよう声明が出されているが、このあたりのルールに手が加わっていない以上、ルール背景の参考程度にはなるか。

効果は競合してないじゃん! というのはもっともなのだが、実際処理としては公平で分かりやすく、なんの問題も見つかっていないので、筆者としては未だにそのイメージでいる。マスタリングの技術として、順番が競合した際の解決策と割り切っても良い。

 

 

♦まとめ

以下に今回の考察に従った「効果の競合」の処理順をまとめてみる。

ここでいう「優先」とは、他の効果を差し置いて適用される効果であり、適用順とは関係ない。優先されなかった効果については、優先された効果の適用に競合しない範囲においてのみ後から適用される。

  1. 同タイミングに複数の効果が適用される際、「効果の競合」が発生。
  2. 発生している効果の種別(適用順位)を確認する。順に適用(後に発生するものほど優先)。
  3. 同順位かつ効果の発生時点が違うもの同士の場合、後に発生したものを優先。
  4. 同順位かつ同プレイヤーが同時に使用した効果の場合、任意の順で処理(後に発生させるものほど優先)。
  5. 同順位かつ異なるプレイヤー同士が同時に使用した効果の場合、出目が低いプレイヤーのものから処理(高いプレイヤーのものほど優先)。

長ったらしく書いたが、実際はほとんど感覚と一致しており、意識する機会はほとんどない。ただし、どちらが優先されるかによって戦況やビルドが大きく左右されることもあるので、なんだかんだで考える必要がある場面は出てくる気がする。

 

 

♦関連

 

 

(C)河嶋陶一朗冒険企画局「忍術バトルRPG シノビガミ

*1:主観。

*2:なお、【奥義】効果の処理順は明記されていない。改定前の裁定によると、少なくとも装備忍法よりは後であった。

*3:なんとも中途半端に効果が発揮されそうで抵抗があるが、優先されなかった効果の一切を無効とする方が考えにくい。

*4:改訂版ルルブ同ページ注釈「同じタイミング」を読んでみても、同タイミングの効果使用というだけで「効果の競合」が発生するかのような口ぶりである。