ルール改訂が行われ、猛威を振るっていた【滅苦】【特別教室】のコンボは大幅な弱体化を受けた。
このコンボ、またはそれぞれのパーツについて、これからの環境における実用性について考察してみる。
そもそも【滅苦】【特別教室】って?
「特例修得」というルールがなかった頃、セッション中にこれらの忍法が未修得になった場合、使用できなくなるだけで特段それ以上の影響はなかった。
【滅苦】はあらゆる装備の流派忍法を修得できるようになる代わり、器術分野の【生命力】が失われるとその装備忍法を使用できなくなる効果だったが、【滅苦】自体を未修得にしてしまえばデメリットの効果も発揮されなくなる。
【滅苦】により誰でも修得可能になる【特別教室】は、後付けで修得している忍法を2種類まで入れ換える効果を持つ。これによって不要になった【滅苦】と【特別教室】を有用なものに交換することができたため、実質的に「末裔」ひとつで誰でもあらゆる装備忍法を使うことができるようになるというコンボであった。
これをベースに様々な応用があったが、「特例修得」になった以上、現環境では【滅苦】も【特別教室】も交換に出すことができない。【滅苦】のデメリットも踏み倒せなくなったため、器術を守りながら立ち回る必要が出てきた。
即ち、中忍時点では「忍法枠が実質3枠になり、あらゆる装備忍法を含む2種の忍法と交換できるが、それらは器術が残っている間のみ使用できる」という性能に落ち着いたわけである。
相性の良い/良かった効果等についての考察
具体的な例の今昔を比較すれば、今何ができて何ができないのかが見えてくるはずだ。考察してみよう。
- 【接近戦攻撃】
全員が修得している基本攻撃。
これも修得状態の忍法であるため、【特別教室】による交換に利用できる。
枠がカツカツになった今、まさに生命線と言えよう。
- 【忍授業】
忍秘伝掲載。サポート忍法でありながら、修得忍法に対して継続的に作用する効果を持つ。
その特性上、効果使用後は未修得状態になっても問題ない。絞ったあとは【特別教室】の餌にしよう。
- 【頑健】
なんの変哲もない【頑健】。普通に強力。何が好相性なのかというと、重ねて修得することができる点だ。
【滅苦】では、これと【特別教室】以外にも後々不要になる忍法を修得していることが多かった。【頑健】を【特別教室】で指定していれば、それら全てをロスなく【頑健】、ひいては【生命力】に変換できていたわけである。
現在では「特例修得」の影響をモロに受け、同じこと自体はできようとも、まずその余裕がないだろう。
- 【道具箱】【忍細工】【極上】
装備忍法であるため、【滅苦】により修得可能になる。
効果の適用タイミングと忍具の特性上、これらが未修得・使用不能に陥ってもなんの問題もない。これは現環境でも変わらない。ただし、厳格化した忍具の所持数制限に引っ掛かるようだともったいない。
- 【機忍】【ご当地戦法】
修得できる忍法を拡張する装備忍法。【滅苦】で修得可能。
これらによる忍法修得も当然「特例修得」扱いになったため、【特別教室】で交換に出すことができなくなった。あまりにも余裕がない。
なお、これらにより修得可能になった忍法を【追加忍法】で指定することができるが、その場合は修得しているわけではないから「特例修得」ではない。従って、【機忍】等が未修得になっても使用不能にならない。これに限り、交換に出してしまってもかまわないというわけである。
- 【忍法研究】、指定特技「自由」の忍法、など
これらの忍法は、修得したタイミングで対象などを選択する。【特別教室】にてセッション中に修得すれば、相手の持つ特技などを見た上で設定することができるわけである。
【忍法研究】は特に強力。相手の修得しているサポート忍法を後付けでメタることができる。【修羅】などにしても、相手が避けにくい特技をその場で指定できる利点は言うまでもない。
- 【開祖】
同じ忍法を実質的に重ねて修得できる忍法。【滅苦】により修得可能。
その際、名前を変えている忍法は「特例修得」扱いになったため、【開祖】を未修得状態にすることができなくなった。
【滅苦】【特別教室】下で、中忍時点で利用可能な忍法枠は3。【開祖】と複製忍法、そしてその元になる忍法だけで使いきってしまうため、【奥義】を絡めた戦法しか道はないか。
装備忍法の定義に従い、【開祖】が未修得状態になると効果は発揮されなくなり、効果先の忍法の名称は本来のものに戻ると考えられる*1。同サイクル・ラウンドに同名のサポート忍法を複数回使用することはできないが、装備忍法については同名のものであっても重ねて適用されるはずだ。また、【開祖】は修得している忍法「一種」の名称を変更するために、同名の忍法を複数修得している場合はその全ての名称が変更されることになる。
これらを利用し、複製したい装備忍法と【開祖】を【特別教室】で指定しておくことで、時間をかけてなんやかんやで同名の装備忍法をたくさん修得している状態にする...ということが理論上考えられていたが、改訂によって無に帰した。残当。
- 「末裔」
相性が良いというか、現代編なら前提である。これで大元の【滅苦】を修得する。今も変わらない。
逆に言えば、背景枠はこれに割く必要があるというのが唯一といっていいデメリットだった。
- 「双子」
もっと忍法をぐるぐるできる背景。
交換は必ず3つかつ同時であり、装備忍法を選べないという不器用さを持つが、やはり単純に強力。
【特別教室】と組むと互いをより活かせることがあったが、改定後は中忍時点で共存することはまずないだろう。
【滅苦】のみ持ち、【接近戦攻撃】【道具箱】【忍細工】を交換に出すのが強力か。
【怪士】や【真蛇】、【百足】を使用すると、シーンの終了までという期限付きで忍法を追加で特例修得するわけであるが、そうして修得した忍法が未修得になる前に「双子」で交換に出してしまうと、期限が来たときに失うはずだったものを既に持っていないことになる。
未修得になる処理が不発に終わり、実質的に期限が無視されることになるため、忍法枠が増える。そんなバカな。
- 血盟忍法、「渡来人の血」
階級による基本の忍法修得数とは別に、追加で血盟忍法や特殊な【揺音】を修得する。
枠が増えている!【特別教室】による交換にうってつけだ。
- 「師匠」
適当な忍法を【教導】してもらうことで忍法枠が増える。そのまま利用しても良し、【特別教室】の生け贄にしても良し。
師匠の流派を金色庵に指定することで、【滅苦】【機忍】【教導】【開祖】【教導´】でもっとズルできる。戦国編ならルール上なんの問題もないが、現代編でもできない理由はないかもしれない。
実用
【道具箱】をはじめとした、失っても問題ない忍法を交換のために用意しておくのが基本になるだろう。器術分野を失えず、「呪い」も致命傷になりやすいため、「兵糧丸」が手に入るのはありがたい。
【道具箱】と【接近戦攻撃】を交換に出し、残りの1枠と追加修得2枠でコンボを組むのが主流になるか。あらゆる装備忍法を使えるため、これでも利用する価値はある。
【道具箱】と【忍細工】を交換に出し、「忍細工」4つ持ちで【接近戦攻撃】も絡めた戦い方をしても良いだろう。普通に大槌群で組むより自由度がある。
他、階級の上昇や「渡来人の血」などにより忍法枠に余裕が出れば、使い勝手はグンと良くなるはずだ。
忍法枠を食うようになったが、成長性という面では変わらない働きをしてくれるだろう。
関連
(C)河嶋陶一朗/冒険企画局「忍術バトルRPG シノビガミ」
*1:「同名の忍法を修得すること」は明確にルールに反するが、「同名の忍法を修得している状態」自体はルール違反とは言えない。