ぱんどらさんのおもちゃばこ

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神我狩│《霊紋燃焼》と死んだふり

[霊力]に[霊紋]、そして[生命燃焼]をはじめとする回数限定効果。神我狩の戦闘はリソース管理の連続だ。これらを個人とパーティー全体の双方において上手くやりくりしていくことが、勝利への鍵となる。

とはいえこれらの消費は出目や状況に左右され、なかなかにままならない。様々な要因や状態、運が複雑に絡み合うなかで、味方と共にできるだけ万全な状態をキープしつつ被害を最小限に抑えていく。この絶えない状況対応とやりくりこそ、神我狩の戦闘を飽きさせないものにするシステムと言えるだろう。

特に[霊紋]は、PCたちの真のHPと言っても過言ではない重要なリソースだ。【生命力】に直接的なダメージを受けずとも、敵の攻撃を真に受けないように代わりに消耗されていく。[霊紋]の節約が上手いほど、長期戦にも耐えうるようになり、安定に繋がっていく*1
このゲームでは、DX3rdのように二度も三度も倒れるわけにはいかない。自力で復活できるのは、[生命燃焼]の一回限りだからだ。仲間を護るタンクや戦闘不能許否効果、仲間を復活させる《タレント》などもあるが、それらを加味しない状況下での基本の動きを考えてみよう。

敵の攻撃の被害を抑えるためには?

  • [物理超越]

易々と攻撃を貰ってはいけないのは上述した通りだ。[受動判定]では、基本的に足りなさそうな分を[物理超越]で補い、無駄なく、しかし確実にパスすることが求められる。

ダイスがひとつ増えるメリットは、単純に[達成値]が1~6増えるだけではない。増えたダイスは当然[霊力操作]にも活用できるから[達成値]の安定化や[霊力]調整に役立つし、[クリティカル]や[ファンブル]の発生確率にも大きな変化を与える。

[物理超越]では3個までダイスを増やすことができる。しかしながら、ここで問題になってくるのは「どこまで無理をするか?」というところだろう。無駄のない個数で避けていきたいところだが、ギリギリ足りないのでは勿体ない。
期待値なら問題なくとも、大事をとってもうひとつ増やすべきだろうか?たくさん増やしても避けられない可能性があるなら、いっそのこと諦めるべきだろうか?

[霊力操作]がある以上、これは単純に運だけの問題ではない。[コスト]のために手元に残しておきたい出目もあるだろう。他にも様々な状況が複雑に絡み合っており、簡単に最適解を出せる話ではない。
それでも、期待値というのはひとつの指標になる。[物理超越]で避けると決めた場合、ダイスひとつあたりの期待値(+3.5)や手元の[霊力]、そして失敗したときのリスクを主な指針にして、都度考えることになる。
ただし、判定に失敗したからといって消費した[霊紋]が全くの無駄になるとも限らないことを覚えておくと、いく分気が楽になる。[霊力操作]による[霊力]の調整がしやすいので、そのお陰で次の回避に成功するかもしれないし、[コスト]の確保にも効果的だ。

  • 「ライフで受ける!」

ここまでは避けることに視点を置いて来たが、[受動判定]を諦める選択肢もある。
その攻撃による[ダメージ]をくらっても倒れない場合、無理して避けるより結果的に被害が少ないことがある。特に【生命力】の[回復]が可能な味方がいる場合、「死ななければ安い」のだ。これは非常に[霊紋]に優しい。[気絶]してしまうと状況が大分変わってしまう*2から、「倒れない程度に攻撃を貰う」動きになってくる。

そういった場合を除いても、[物理超越]でダイスを3個増やすより[生命燃焼]の方が[霊紋]で見れば安い。
しかし、[生命燃焼]は一度しか切れないカードなのだ。不慮の事態も起こりうるし、この選択肢はできるだけ温存しておきたいところである。

[生命燃焼]はいざというときのためにとっておくのが基本だが、状況によっては自発的な「切り時」があったりする。[生命燃焼]の新たな用法を見出だすため、[とどめを刺す]の仕様を知っておこう。

[とどめを刺す]は[タイミング:攻撃]を消費し、武器を用いて行う[行動]であり、[気絶]している対象1体を[戦闘不能]にする。対象と[近接状態]にあるときのみ効果を発揮し、必要な場合は[達成値]10、[生命力ダメージ]5として扱う*3

[気絶]している対象に普通の攻撃をしても意味はないし、[とどめを刺す]は[近接状態]になければ行えない。つまり[気絶]中は、敵と[近接状態]にならなければ攻撃をやり過ごすことができると言える。
そして、[生命燃焼]は[とどめを刺す]を宣言されてからでも遅くない。その場合は[目標値]10での[受動判定](種別は相手の武器種による)になるし、【体力】6以上のキャラクターならこれに失敗しても再び[気絶]することはない。通称死んだふりである*4

  • 攻撃されなければ避ける必要もない

そして[霊紋]を消費しないための最高の手段は、そもそも攻撃の対象にならないことである。敵の間合外から一方的に殴れる状況が完成すれば、防御においてこの上ない陣形だ*5
完璧な対応はそうそうできないが、[回避]または[抵抗]が高いなら、それぞれ[物理攻撃][魔法攻撃]しか使えない敵については間合を考えなくてもいい。[受動判定]を[霊力]調整に利用できることもあるし、むしろ率先して受動が辛いPCをカバーしていきたいところ。

そういう意味で、【敏捷】が高い=【行動値】が高い=【回避】が高い=移動距離が長い利点を持つ白兵屋のPCには、物理屋の敵にエンゲージして後衛を護るという強みと使命がある。
敵の[物理攻撃]が後衛に届かず、[魔法攻撃]を後衛が対策できるなら、まさに鉄壁の布陣と言えよう。なかなかそう上手くはいかないが、位置関係の重要さは分かっていただけると思う。

分かりやすい例で言えば、敵の攻撃が[対象:範囲]のときだろう。こちらが纏まっていては良い的だ。無駄に貰ってしまうともったいない。
なお、[戦闘開始]時にPC側は纏まった6マスに配置できることが多いが、
①②
③ ④
のように配置しておくと、①が移動した時点で[範囲]の被害は最小限になる。

  • やられる前にやれ!

[概念破壊]を使用すると、当然[霊紋]を消費する。しかしながら、押しきれずにずるずると攻撃され続けてしまう方が消耗が大きいものである。
TRPGにはよく見られるが、神我狩もまた短期決戦が好ましいゲームであると言えよう*6。[霊紋]という、[回復]の手段が限られたリソースをすり減らして戦うからである。

無駄な攻撃を貰いたくはないから、とりあえず敵の数を減らすのが鉄板*7。雑魚にしても、いるといないとでは大違いだ。手短に掃除したいところ。
その最中で、ギリギリ削りきれないというシーンも当然あるだろう。そんなときにこそ輝くのが[概念破壊]である。まさにダメ押し。

増加ダメージが安定しないという欠点こそあれど、[ダメージ算出]時、つまり後出しで火力を増やせる利点がある。元の火力などに関係なく、誰が使っても効果は同じだ。
[ランク]を+1~6できる効果は、火力換算では最大36程度。雑魚を押しきるときや、あとはボスに総攻撃するだけ、といった状況で使っていくと良いだろう。当然だが、使うと決めたら出目は大きい方が良い。

そして、[概念破壊]の真価は[クリティカル]したときにこそ発揮される。最大で60ほど火力が伸びるから、[ボス]相手に出た場合は多少無理してでも使いたいところ。[能動判定]のダイスを増やしたり、[ファンブル]を[クリティカル]にできる効果と相性が良い。
ちなみに《高位治癒》などに用いて[回復]量を上げることもできる。おかげで命拾いすることもしばしば。

なんにせよ、短期決戦の肝となるのは総合的な火力である。[ランク]や火力固定値を稼ぐ。[対象]や攻撃回数を増やす。それぞれに強みや弱みがあるから、バランスとやりたいことを考えて組んでいこう。

総括
[霊紋]の節約を念頭に置いて、味方と共に効率的な戦いを模索しながらダイスを振る。思考・相談しながら[ボス]を攻略するのは、神我狩の戦闘における醍醐味のひとつだと思う。
そのための指針をいくつか分析してみたが、セオリーに「縛られた」プレイングを楽しめる人ばかりではないし、押し付けるべきでもないだろう。何より、新たな発見はいつもセオリーの外にあるはずだ。
頭でっかちにならず、状況により幅広く表情を変える神我狩の戦闘を柔軟に楽しんでほしい。

関連

(C)力造/アークライト/新紀元社武装伝奇RPG 神我狩」

*1:[霊紋]は[概念破壊]によって火力にも変換できるから、効率の良い扱いができるか否かで大きく差が出るのは言うまでもないだろう。

*2:復帰に一手間必要になり、[戦闘不能]にされる危険も出てくる。なお[エルダーメイジB]などの専門ヒーラーが、全体の[気絶]回復→【生命力】回復を一手に担える場合、これまた話が変わってくる。

*3:これらのうちいずれかが0になった場合、「とどめ」は失敗する。FAQによると、[とどめを刺す]には[ダメージ減少]は発生しないとのこと。したがって、《バリア》《防護》などで[とどめを刺す]を阻止し続けることはできない。なにか抜け道はないだろうか?

*4:いま命名した。

*5:ただし、敵の攻撃が[対象:n体]であり、かつこちらの狙われる人数がn体以上の場合、敵の攻撃にロスは出ていない。自分以外が傷つく頻度が上がるだけである。

*6:戦闘が長いと単純に疲れてしまうことも大きな理由のひとつだ。

*7:[ボス]を巻き込みつつ複数体攻撃してもいいが、大体の[ボス]はある程度傷付くとパワーアップする。状況を見て攻めたいところ。