ぱんどらさんのおもちゃばこ

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神我狩│ハウスルール:レベル調整

神我狩ではシナリオごとに適正レベルが設定されており、低レベルから高レベルまで幅広い戦いを楽しむことができる。しかし、キャラクター間の[世界干渉LV]に差があるためにそのキャラクター同士でのセッションができなかった、という人もいることだろう。
本記事では、公式ルールとの差違をできるだけ発生させずにこの問題を和らげるハウスルールを紹介する。

そもそもレベル調整は必要か?
ルールによって保障されていないシステムを導入するにあたり、一応整理しておく。あった方が良いに決まっている、という人は読み飛ばしてくれてかまわない。

神我狩はPC協力型のゲームである。対立要素のある[ストラグルルール]においても、その面においてPC間の不公平はさほど目立たない*1。協力して[ボス]を倒す以上、多少のスペック差は気にせず運用しても問題ない場合が多いだろう。なにしろ、組み方や相性によって同条件でも差は生じるのだ。

しかし、このゲームでは1レベルの差が大きい。[世界干渉LV]1と2、5と6の間などでは大差ないかもしれないが、2と3、4と5の間に天と地の差があることは経験者なら分かるはずだ。その大きな原因はレベル制限《タレント》の存在にある。当然、ステータスや装備の成長も軽視することはできない。

キャラ間に無視できない差がある場合、当然ゲームバランスが崩れてしまう。ワンマンでチームワークを感じられないのは興ざめだし、弱いキャラクターに活躍の場がなくなるのも問題だ。明らかに強い敵に対して為す術もないのでは、卓の楽しみだけでなくキャラの生死にも関わる。
であれば、PCたちの強さをできるだけ揃えた方が楽しめる確率は高いはずだ。

しかしながら、使いたいキャラが全員毎回同じレベルであるとは限らない。[ハンドアウト]によっても制限されるし、チームバランスも考える必要がある。状況にあわせて都度高LV作成を行ってもいいが、毎回いちから作るのは大変だ。なによりそれは既存の「使いたいキャラ」ではないし、成長が楽しいこのゲームにおいては少々もったいない。
そして、キャラが他のメンバーに「おいていかれる」という状況がままある。パーティのメンバーが固定されやすい状況下において、都合により誰かが欠員した場合、そのキャラは他のメンバーに比べて成長が遅れてしまう。(パーティを固定することの長所と言える)一体感という観点からしても、これはあまり好ましいことではないだろう。

そしてこれらの問題は、パーティのレベルをセッションごとに揃えるルールを整備することで解決する。そして様々な組み合わせのパーティを楽しめることによる好影響は、戦闘における要素が多様なこのゲームにおいて、RPだけに留まらない。ドラマと戦闘の両面において、多彩な化学反応を楽しめることだろう。

パーティレベルルール
本題に移ろう。
本ハウスルールは、公式ルールとの摩擦を抑えた上で、調整する/しない両キャラクター間で可能な限りバランスを保ったレベル調整を行い、パーティ全員のレベルをセッションの間だけ揃えることを目的とする。これにより、レベル差があるキャラクター同士でもある程度性能バランスの取れたパーティを組めるようになることを目指す。

  • パーティレベルの設定

[セッション準備]にPC全員の[世界干渉LV]を一定に揃える。その値を[パーティレベル]と呼ぶことにする。[パーティレベル]はセッションごとに設定され、基本的にそのシナリオがプレイを想定している[世界干渉LV]と同値とする*2。一時的に変化した個々の各データは、[セッション終了]にその全てを調整前の状態に戻すこと。その後、セッションで獲得した[経験値]や[G]、[アイテム]などを元のデータに反映させてよい。

  • 上方修正

パーティレベルに対して本来の[世界干渉LV]が低いキャラクターは、[パーティレベル]と同値になるまで[成長]を行う*3。各「成長の効果」を、上昇した[世界干渉LV]の数だけ適用すること。また、それと同数の〈宝物〉(効果値1)と、同じく同数×[1500G]を獲得する*4

公式ルールにおける高LV作成とできるだけ条件を揃えるよう設定した。

  • 下方修正

レベルを下げ、データ的に弱体化させることは難しい。[アイテム]や[所持金]の問題があり、不可逆となっているからだ。そのため、本来のキャラクターのデータを調整することはしない。

そこで、[パーティレベル]に対して[世界干渉LV]が高いキャラクターは、実際にそのレベルだったときのデータを使用することにする。そのレベルに到達した時点でのデータを使用する方が理想的だが、管理の都合上、次の[成長]を迎える直前のデータを用いる方が楽である。どちらでもかまわない。

普段から[成長]の度に、新しいキャラシにデータを書き込むようにしておくと良い。[成長]前と見比べながら能力を修正することでミスが起きにくく、度重なる修正によるキャラシの劣化も抑えられる。また、そのキャラが辿ってきた成長の足跡が残るというのも感慨深いものがある。

導入について
レベルもそのキャラクターの内面や立場を構成する1つの要素だが、レベル調整にはどうしてもそれを無視せざるを得ないという欠点がある。成長を一方向的なものとするなら、時系列的にも矛盾が生じてしまうことがあるだろう。
そのあたりの扱いは自由にして良い。ifの世界としてもいいし、一時的に全力を発揮できない/普段以上の力を発揮できる状態にあったり、力の強さには波があったりすることにしてもいいだろう。深く気にしないのが一番かもしれない。
上方修正時は、そのキャラの未来の姿を演じるのもまた一興だ。新しい視点からキャラを掘り下げることもできるだろう。そうして未来の姿が浮かんだならば、そこに到る過程を想像して別のセッションで回収するプレイングも考えられる。同様に、下方修正時には現在より未熟な姿を演じるのも良いだろう。

能力の平等性についてだが、そもそも高LV作成した場合と初期作成から成長して高レベルになった場合では、公式ルールの範疇とはいえそれなりに大きな差が生じている。「パーティレベルルール」においては基準をここに合わせているが、あまりにも差があると感じるなら自由に調整すると良いだろう。
これは同レベル間の強さのブレを公式ルールによるものの範疇に抑えるための設定であり、このルールの本質的には平等レベルになるまで強化した方が適っていると言える。何をもって同程度とするかに基準はないのだが。

下方修正は、当時のデータが残っていないキャラは行うことができない。とはいえ修正は一時的なものなので、[アイテム]について柔軟に擦り合わせ、いくらかオミットすることで対応できる。
もともと高LV作成したキャラは[パーティレベル]時点でのデータがそもそも存在しない場合があるが、こちらについては[パーティレベル]に合わせて改めてデータの(高レベル)作成を行うことで対応可能だ。その際は、元のキャラの成長過程としてありえる構築をするべきだろう*5

上方修正の幅が大きいと、獲得物を元のデータに還元した際に、そのレベルにおいてはオーバーな質や量の[アイテム]を獲得してしまうことがある。実は下方修正についても同じで、得られる[アイテム]に対して[経験値]が先行してしまうと考えられる。
ここらへんは経験したシナリオの匙加減によって普通にしていても多少の差が生じる部分ではあるのだが、気になるようであれば収穫をレベル相当のものに調整すると良い。

育成という下積みをせずにレベルを上げ、成長したキャラクターを使うことに後ろめたさを感じる人もいるだろう。この下積みを醍醐味だと考える人には、本ルール(における上方修正)はおすすめできない。
しかし少なくとも、私にとってはここは本質ではない。セッションの収穫を反映して成長できる仕様上、本ルールによってレベルが飾りになることはないからだ。育成の楽しさは損なわれていないはずである。

関連

(C)力造/アークライト/新紀元社武装伝奇RPG 神我狩」

*1:†の獲得数に差が出ることがあるが、シーンプレイヤーの順番の方が[情報点]レースの有利不利に関わると思う。

*2:もちろん、相談の上で[パーティレベル]を上下させてもかまわない。シナリオの殺意が高かったりPL達がデータマンチだったりする場合に、シナリオに手を加えずともおおまかな難易度調整が可能だ。

*3:[経験値]は[セッション終了]まで考慮しないものとする。

*4:例えば[世界干渉LV]が1のキャラクターを5に修正する場合、[成長]を4回行い、[6000G]と4個の〈宝物〉を獲得して[売却・購入]等を行う。

*5:例えばレベル3時点で【幸運】が5のキャラクターならば、レベル1時点で6になるようにステータスを振ることは通常考えられない。逆も同様で、レベル1時点で3はないとレベル3時点で5に到達することはできないはずだ。