ぱんどらさんのおもちゃばこ

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DX3rd│攻撃/武器について

攻撃に関するルールが思っていた5倍くらい難解だったため、思考整理も兼ねて考察する。
なお、この考察はルールの細かい部分を掘り下げるものであり、攻撃の概要をわかりやすく解説するものではない。

攻撃の種別と段階
攻撃は白兵攻撃と射撃攻撃に二分され、これらは両立しない。「白兵(射撃)攻撃を行う」効果が発生するとき、それを攻撃として扱う。メジャーアクションを使ってエフェクトを使用した際、その効果に「攻撃を行う」文言がなければ攻撃とはみなさない。

また、以下の裁定から「攻撃を行い、命中した」だけではダメージが発生する条件として不十分であることがわかる。

Q:《幻惑の光》のように攻撃力のない攻撃を行なうエフェクトと《主の右腕》のように攻撃力を上昇させるエフェクトを組み合わせた場合、ダメージを与えることができるようになりますか?
A:できません。武器を使用せず、攻撃力のないエフェクトのみで攻撃を行なう場合、ダメージを与えることはできません。ダメージを与えたい場合、《光の弓》のように攻撃力の設定されたエフェクトを組み合わせてください。武器を使用した攻撃の場合は、攻撃力のないエフェクトのみを組み合わせてもダメージを与えることは可能です。

つまり、「『攻撃力:+●』の白兵(射撃)攻撃を行う」効果があってはじめてダメージを与えることができるようになるということだ。この効果を便宜上「ダメージ起点」と呼ぶことにする。
なお「エフェクトの組み合わせ」 [R1-252]によって、2つ以上の同種別のダメージ起点エフェクトを組み合わせた場合、その攻撃力を合算したダメージ起点効果として扱うことが保障されている。異種別間では組み合わせ自体ができない。

武器について
装備していると、メジャーアクションを使用して武器による攻撃を行うことができる。武器を使用した攻撃では、ダメージ起点効果がなくてもダメージを与えることができる。
武器は白兵武器と射撃武器(もしくはその両方)に分かれており、それぞれ白兵攻撃または射撃攻撃を行える。なお以下の裁定につき、ヴィークルによる攻撃も武器攻撃として扱うことが明らかになった。種別は白兵攻撃である。

Q:〈運転〉技能や《ヘヴィギャロップ》を使用してヴィークルで攻撃した場合、攻撃に使用した武器を参照するデータはどのように処理を行えばよいですか?
A:ヴィークルで攻撃を行なった場合、使用したヴィークルを武器として処理を行なってください。たとえば、もし《ギガンティックモード》を組み合わせていた場合、攻撃後にヴィークルは破壊されます。

「乗用馬」 [IC83]なども破壊されうるが、武器としての「素手」が破壊された際もこれは欠損等を示すわけではなく、あくまで「戦闘に使用できない」状態であるだけだ [上級30]。安心して《ギガンティックモード》 [EA82]しよう。演出面は知らない。フレーバーによると、無数に分かれた馬の切っ先が、並みいる敵を的確に倒していくらしい。
当然《マシンモーフィング》で「乗用馬」を製作することも可能だ。馬とは一体なんなのか。考えさせられるものがある。

攻撃種別とは別に、全ての武器やヴィークルには攻撃に使用する技能が設定されている。白兵武器は〈白兵〉、射撃武器は〈射撃〉、ヴィークルは〈運転〉が大半だ。技能が複数表記されている場合、そのうちの1つを用いた攻撃となる。〈白兵〉/〈射撃〉とある武器の場合、選んだ攻撃種別によって判定に使用する技能が決定される。

「リニアヴィークル」 [IC74]は技能に〈RC〉が存在する。この攻撃により発生する〈RC〉の判定には、〈RC〉のエフェクトを組み合わせることが可能だ。
これはヴィークルによる攻撃となるため、種別は白兵攻撃になる。しかし組み合わせたエフェクトの効果に射撃攻撃を行う旨がある場合、白兵攻撃と射撃攻撃の両方の効果が発生することになってしまう。なお、これらはエフェクトの効果同士ではないため「エフェクトの組み合わせ」ルールには抵触しない。
武器攻撃によるダメージ起点処理は、武器の効果というよりルール処理によるものと判断すべきかもしれないが、「エフェクトの優先」 [R1-250]に基づけばどのみちエフェクトの効果が優先されるはずだ。よって、この場合は射撃攻撃のみを扱う...と思ったのだが。

Q:リニアヴィークルによる〈RC〉を使用した白兵攻撃に、《雷の槍》のような射撃攻撃を行なうエフェクトを組み合わせることはできますか?
A:できません。

      !?

よくわからないが、組み合わせ自体を不可能とする裁定が出ている。つまりどのような場合でも、白兵/射撃攻撃を両立するように組み合わせること自体ができないということらしい。
他にも《氷の塔》《災厄の炎》など、両立しないために組み合わせ自体ができないものはいくらかある。これもその一例といったところだろう。

また、《ウルトラボンバー》 [EA66]などによるダメージ起点の攻撃にも武器の攻撃力を乗せることができるらしい。「ダメージロールステップ」 [R1-245]の記述「使用した武器やエフェクトの攻撃力を加え」によるものか。武器の攻撃力は、「攻撃力を+●する」効果としても扱うダメージ起点効果であると考えるのが分かりやすいかもしれない。

攻撃のプロセス
メジャーアクションを使用して、武器による攻撃を行うことができる。このとき、技能が同じメジャータイミングのエフェクトを併用することもできる。武器攻撃によって発生する判定に組み合わせる、といったニュアンスか。
メジャーアクションをエフェクトの使用に消費することで、エフェクトのみによる攻撃を行うこともできる。この際、「攻撃を行う」効果を持たないエフェクトのみを使用していた場合は攻撃にならない。
この2つのどちらかの手段で攻撃を行うことで、対象との対決の判定が発生する。

攻撃側の判定の技能は使用するエフェクトや武器に依存する。
防御側にはリアクションのタイミングが与えられ、それを使用することでドッジやガード、エフェクトの使用ができる。

また、自分がリアクションを行っていない状態で[カバーリング [R1-262]を行うと、ガードを行ったものとしてダメージを算出することができる。
自分が攻撃の対象になっていない場合、自分にリアクションのタイミングが発生しないためにガードができないのだが、[カバーリング]の際は例外として擬似的にガード可能にしよう、というルールである。
自分と[カバーリング]対象の両方が攻撃を受けた場合、受けたダメージに装甲とガード値を適用してから2倍し、その後ダメージ減少効果を処理した値をHPの減少値として自分のみに適用する。「カバーリングとガード」 [上級31]より、この場合「自らのリアクションを放棄してガードを行った上で[カバーリング]を行う」という処理になるようだ。
自分を含む攻撃に対し、ドッジを行ってから[カバーリング]も行うこともできるが、この場合はガードを行ったものとしてダメージを算出できない。

対決以外ではリアクションが発生せず、攻撃以外の効果に対しては[カバーリング]も行えない...のだが。

Q:《極大消滅波》のダメージにカバーリングは可能ですか?
A:可能です。ただし、《極大消滅波》にはリアクションできないため、カバーリングをしてもガードを行なうことはできません。

      !!?

...これについてはまったくわからない。《極大消滅波》 [EA110]のHPダメージを攻撃と見なすのは無理があるし、そもそもメインプロセス中の効果ですらない。

それはそれとして、[カバーリング]には1回のメインプロセスにつき1回までという制限がある。一度に2人以上を庇えないというのはもちろんだが、《ライトスピード》 [EA77]などで複数回攻撃された場合、1回目に[カバーリング]したキャラクターは2回目以降は行えないということも言える。

話は少し戻るが、回避置換エフェクトについても怪しいと思っている。「このエフェクトを組み合わせた判定で、あなたはドッジを行うことができる」とあるが、リアクションタイミングに判定が発生している時点で既にドッジを行っているのではないのか?ドッジの判定なら技能は〈回避〉なのだから、その判定に違う技能のエフェクトを組み合わせることはできないのではないのか?整理しているはずなのにどんどん分からなくなってきた。
まぁ「対決」である以上は基本的にロールの勝負なのだから、リアクション側にはまだ技能を考えていない判定がそこにあるというふわっとしたニュアンスなのかもしれない。

まとめ

  • 攻撃は白兵攻撃と射撃攻撃の2種に分類され、両立するように組み合わせることはできない
  • メジャータイミングにエフェクトなどの効果を使用した際、「白兵(射撃)攻撃を行う」効果があれば、それを攻撃として扱う
  • 武器による攻撃、または「『攻撃力:●』の白兵(射撃)攻撃を行う」効果があって、はじめて攻撃によるダメージが発生する。
  • 武器攻撃で発生する処理はエフェクト効果と同様に扱う
  • 受動側にはリアクションのタイミングが与えられ、これを使用することでドッジ/ガード/エフェクトの使用が行える。リアクションを使用していない/与えられていない場合、[カバーリング]の際にガードしたものとして扱える
  • カバーリング]は攻撃に対してのみ可能で、1メインプロセスに1回まで行える。

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