ぱんどらさんのおもちゃばこ

ビターエンドは好き。ビターチョコは嫌い。

旧 シノビガミ│コストについて

この記事は改訂版ルルブ発売以前に書かれたものである。現行ルールに明確に反しているものを含め、当時とは状況が変わってしまっているものがある。注意してほしい。

戦法を立てる上で重要な要素のひとつである、コスト。その細かいルールを考えてみる。
なお、以下の内容は私の解釈・思考にすぎない。実際に卓に持ち出す前に、あらゆる意味で適切かどうかを判断願いたい。

概要
戦闘中、使用できる忍法は自分のプロット値以下のコストの忍法のみである。また、1ラウンドに複数の忍法を使用する場合、コストの合計がプロット値を超えるように使うことはできない。
プロット時は自分のプロット値が確定していない。このときだけは前述のルールの範囲外であり、合計コストが6以内になるように自由に忍法を使用できる。このときに使用したコストの合計が結果的に自分のプロット値以上になった場合、そのラウンドではコストのある忍法を使用できない。なお、プロット後にプロット値が変化した結果、使用したコストの合計がプロット値を超えてしまった場合も同様である。

コストの大きい忍法を使ったり、多くのことをしようとしたりすると、必然的に高いプロット値を要求される。それはそれだけリスキーだということであり、プロット値を予測されやすいということでもある。
また、メインフェイズ中にサポート忍法を使用する場合、設定されたコストの値だけファンブル値が上昇する。

より詳しく読む

  • コストと使用条件

忍法を使用する際、コストの合計が自分のプロット値以下になるように使用すれば問題ない。のだが、自分のプロット値以下の忍法しか使えないという前提があるのは忘れられがちだ。細かい話だが、厳密に読むなら1ラウンドに使用できるコストの合計を増やしたところで、プロット4でコスト5の忍法は使えない

  • コスト「なし」と「0」

忍法にデフォルトで設定されているコストは、「なし」、「1」~「6」の数字、「1~」という下限付き任意数値のもの、のいずれかである。効果によってコストが「なし」から増加する場合、「なし」→「1」→「2」→...とする旨の記述が効果欄にある。また、コストが減少する場合は「ただし、コストはn以下にならない」という一文がある。(共に例外あり)
【爪紅】はコスト下限が「0」に設定されている。これはコスト「なし」と区別するべきだろうか?

ルール上、コスト「0」を設定する上での不都合は特に見当たらない。数直線上の実数値として「なし」とは別に定義して良いだろう。
むしろコスト「なし」はルール的に特別な意味を持つため、「1」から減少する際に「なし」とする方が抵抗がある。他の数値と同列に扱う以上、「コストが0ある」ととらえ、上述の「コストのある忍法を使用できない」状況下では使用不可とするべきだろう。

プロット時にコスト「1」の忍法を使ったプロット1のキャラクターはコスト「0」の忍法を使用できず、プロット公開後に合計1のコストを使用した上でプロット値が1に変更されたキャラクターは「0」の忍法を使用できる、ということになる。なお、コスト「なし」の忍法はどちらの場合も使用可能であり、コスト「1」の忍法はどちらも使用不可能。
これは、コスト「なし」以外の忍法が使用不能になる条件が、プロット時は「コスト合計≧プロット値」となることであるのに対し、プロット時以降は「コスト合計>プロット値」となることであるというギャップによるものである。

まとめる。
コスト「なし」は数直線上から独立した、0の位置に相当する特別なコストとみなし、コスト「0」とは別に定義される、という形がしっくりくる。「なし」から増加するときは効果のただし書きによって特別に「1」に接続されるが、整数直線上で「1」と直接連続しているのは「0」である。

  • コスト「-1」

【追加忍法】の奥義開発【減らし】は、指定した忍法のコストを2下げる効果を持ち、かつ下限値が設定されていない。コスト「0」を定義した以上、数直線上で「0」からさらに1減少するとコストは「-1」となってしまう。
これも「0」と同様、ルール上の運用に不都合は見受けられない。ラウンドのコスト合計は、プロット3なら「2」+「-1」+「2」=合計3を使えるという計算で問題ない*1し、メインフェイズでの使用によるファンブル値は2+「-1」=1という計算ができる。

なお、コスト「なし」は数直線上に存在しないため、コストを2下げても「-2」とはならない。「なし」のままとするべきだろう。
ただし【減らし】を厳密に読むと、コスト減少の効果は使用者が【追加忍法】で選んだ全ての忍法に作用する。つまり、【減らし】付きの【追加忍法】を2つ修得している場合、選んだ4つの忍法全てのコストが-4されると取れる。これを考慮すれば、コスト「-2」以下の忍法もありえる。

実用
ラウンドに使用できるコスト合計を増加させる効果と、設定されたコスト自体を減らす効果では、基本的に後者に軍配が上がる。上述した使用前提に引っ掛かる問題に加え、コストを下げるとラウンドに複数回使用する際にさらにお得だからだ。これは、【連撃】などで攻撃忍法を連発する構成によく利用されている。

1ラウンドに使用するコストの合計は、ファンブル値の都合上4と5では大違いである。そして合計コストを抑えることは、リスク回避のみならずプロットの読み合いにも有効に働く。
火力や間合、判定と共に、戦闘においてコストは重要かつ盛り上げてくれる要素だ。制御しにくいところではあるが、できるだけ少なく抑えた構成を心がけたい。

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(C)河嶋陶一朗冒険企画局「忍術バトルRPG シノビガミ

*1:「-1」+「4」、「2」+「2」+「-1」、という用法は不可能。